70代以上「貯蓄なし世帯」はどのくらいいるのか

Andrey_Popov/shutterstock.com

「人生100年時代」の足音が近づいています。健康で長生きできたら幸せですね。一方で「生きていくにはお金がかかる」、これも事実といえるでしょう。

貯蓄は、年金収入と並ぶ、セカンドライフを支える柱となります。

バブル期に働き盛りの時期を迎えた方も多い日本のシルバー世代。

年金や退職金事情などの面で、いまの現役世代よりも恵まれた時代を過ごしているのでは?というイメージを持たれることも多いかと思います。

年を重ねて健康面の不安ごとが増える、そんなシルバー世代にとっての貯蓄はその後の人生の安心感に直結するたいせつなものといえるでしょう。

今回は、70代以上の貯蓄について考えていきます。

70代以上の貯蓄事情

さいしょに、金融広報中央委員会が公表した、最新版「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和2年(2020年)調査結果」から、70代以上の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)に関するデータをみていきます。

70代以上・二人以上世帯の金融資産保有額

平均値:1786万円
中央値:1000万円

70代以上の貯蓄額は、平均値で1786万円、中央値で1000万円という結果が出ています。

※平均値は一部の「大きな値」によって引き上げらますので、中央値を参考にされると「実感」により近いでしょう。

次では、70歳以上・二人以上世帯の「金融資産保有金額」の分布をみていきます。平均値・中央値からでは見えない「金額ゾーンごとの割合」を確認してみましょう。

70代以上の約2割が「貯蓄なし世帯」

では、70代以上・二人以上世帯の金融資産保有金額ごとの割合の分布を見ていきます。どのくらいの貯蓄額を、どのくらいの世帯が持っているかを把握しましょう。

70代以上・二人以上世帯の金融資産保有金額

  • 金融資産非保有:18.6%
  • 100万円未満:4.3%
  • 100~200万円未満:4.1%
  • 200~300万円未満:2.6%
  • 300~400万円未満:3.0%
  • 400~500万円未満:2.6%
  • 500~700万円未満:6.5%
  • 700~1000万円未満:6.3%
  • 1000~1500万円未満:11.9%
  • 1500~2000万円未満:8.0%
  • 2000~3000万円未満:10.4%
  • 3000万円以上:19.0%
  • 無回答:2.6%

金融資産非保有世帯、つまり「金融資産非保有(貯蓄なし)世帯」と「3000万円以上」がそれぞれ約19%となっています。

少し範囲を広げて「2000万円以上」と「200万円未満」の世帯がそれぞれ3割程度存在することが分かります。

「持てる世帯」と「持たざる世帯」の差を如実に示した、まさに二極化分布となりました。

また、同調査では、「金融資産が1年前よりも減少した」と回答した70代世帯の割合は31.4%。

上位には「定例収入が減り金融資産を取り崩したから(40.2 %)」「耐久消費財(自動車、家具、家電等)を購入したから(35.9 %)」といった回答が挙がっています。

老後の最低生活費は「月31万円?」

同調査によると、既に老後生活に入っているといえる70代以上の「ひと月当たりの最低生活費」は70歳代以上で31万円という回答が。

これが現役シルバー世代の実感であるとすると、公的年金だけに頼る老後生活はあまりにも心もとないと感じられた方も多いでしょう。

年金収入、家族構成、さらには持家派か賃貸派か、といったライフスタイルには個人差があります。よって老後の生活に必要となるお金は人それぞれ。

まずは、60代・70代の早い段階で預貯金の切り崩しを始めた結果、いわゆる「老後破綻」にまっしぐら…という状況は避けたいですよね。

さいごに

今回触れた「老後の貯蓄格差」が生まれる裏には、各世帯のさまざまな事情があるでしょう。

一方で、若い頃からの貯蓄習慣、さらにいうと資産形成への意識が、少なからず絡んでいるであろうことは、確かであるといえそうです。

はたらき盛りの現役世代の中には、「住宅ローンや教育費などのやりくりで精いっぱい。老後資金まで手が回らない」というご家庭も多いでしょう。

とはいえ、私たちの老後は思いのほかに長くなる可能性があります。長寿時代を見据えたお金の計画は早めのスタートが肝心です。

資産運用は、長い期間をかけるほどリスクが軽減しリターンが安定してきます。利子に利子がつく「複利」の効果で雪だるま式にお金を育てていくことに繋がります。

家族構成、貯蓄の進捗状況、そして退職金や相続財産の有無などは人それぞれです。

ご自身のライフプランに合った資産運用の計画は、お金のプロフェッショナルに相談しながらスタートされると、安心感が違います。

「今の貯蓄の状況で老後は乗り切れるのか…」
「金融商品は種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」

経験豊かな資産運用の専門家のアドバイスを受けることで、お悩みや疑問点が解決する糸口が見つかるかもしれません。