「給料が高くて新卒が辞めない会社」TOP200社

年収800万円以上で定着率が高いのはここだ

2年連続で新卒の3年内定着率が100%だった三菱地所。平均年収も1229万円と高い (撮影:尾形文繁)

厚生労働省が10月に公表した「新規学卒就職者の離職状況」の最新データによると、大卒就職者(対象は2015年卒生)の3年後離職率は31.8%と、前年比で0.4ポイント改善された。

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詳細を見ると、業種や事業規模によって、離職率は大きく異なっている。たとえば事業規模で見ると、大規模になるほど離職率は低下する傾向にあり、1000人以上では24.2%となっている。それに対し、30~99人では39.0%、5~29人で49.3%、5人未満で57.0%と、規模が小さいほど離職率が高くなっている。

業種別では、電気・ガス・熱供給・水道業の10.8%に比べ、ワーストはその他の66.0%と、実に6倍もの差がついている。以下、宿泊業・飲食サービス業の49.7%、教育・学習支援業の46.2%、生活関連サービス業・娯楽業の45.0%と続く。

長期で見ると、20年間ほぼ横ばいとなっており、3割は入社後3年で離職している状況に変わりがない。

定着率が高い会社を探すのが企業研究のポイント

離職率は、就職活動生が企業研究を行ううえで、注目すべきポイントと言える。一方で、給料など「待遇の良い会社」というのも、企業を探す軸として重視してもいいだろう。そこで今回は、『就職四季報2020年版』(総合版)から、3年以内離職率が低い会社すなわち定着率の高い会社を集計し、さらにそこから年収が高い会社を抽出。「給料が高くて新卒が辞めない会社ランキング」として紹介したい。

ランキング対象は、2015年入社人数が10名以上の会社で、平均年収800万円以上の企業を対象とし、定着率が高い順に上位200社を掲載している。順位は定着率の高い順に付けているが、掲載はそのうち年収が高い順に並べている。

ランキングで定着率100%の会社は32社。そのうち平均年収が1000万円を超えているのは4社で、3社は三菱地所住友不動産東京建物と、大手不動産会社が並ぶ。もう1社のアジレント・テクノロジーは、医薬・バイオ関連機器を手掛ける外資系企業だ。

年収997万円のアストモスエネルギーはLPGガス事業最大手で、出光興産、三菱商事の事業統合によって発足した。年収892万円のタクマはボイラー製造大手で、ゴミ焼却炉や水処理プラントを展開している。

なお、2年連続で定着率が100%だったのは、10社(三菱地所、アジレント・テクノロジー、日本郵船横河電機福田組東京ドーム京阪ホールディングス国際協力銀行東京応化工業松竹)に上っている。

トップ200社のうち建設業が27社を占める

業種別では、3年後定着率100%のうち、業績が好調の不動産業が4社とトップで、さきほどの1000万超の3社に加えて、年収849万円のNTT都市開発が入る。3社は3業種で、海運・空運(日本郵船、商船三井川崎汽船)、食品・水産(日清オイリオグループ不二製油アサヒビール)、電子部品・機器(ルネサスエレクトロニクスアドバンテスト、横河電機)となっている。

一方、ランキングした202社を見ると、建設業が27社でトップ。商社・卸売業、化学が20社と、まったく異なる業種になっている。

3年内離職率の数字を見る場合には、採用人数にも注意してほしい。148位の新日鐵住金は、入社者が893人もおり、1人の離職で0.1%の変動にしかならないが、153位のトーア再保険東映は、入社者が11人のため、一人離職するだけで9%も変動してしまう。『就職四季報』には2期分のデータがあるので、前期データとあわせて、定着率(離職率)の状況を確認するのがいいだろう。

ここ数年の就職活動は、就活生にとって有利な売り手市場が続いており、2020年卒もこの傾向は変わらないとみられる。企業は働き方や福利厚生などの制度を自社サイトなどで公開している。一方、情報量が多すぎるインターネットで自分自身の知らない会社を調べるのは、時間もかかり、まだまだ手間がかかるといえよう。

いざ入社した後に、『こうじゃなかった』と後悔しないためにも、しっかり企業研究をしてほしい。業種ごとにコンパクトにまとめている『就職四季報2020年版』が役に立つはずだ。

参考サイト

「給料が高くて新卒が辞めない会社」TOP200