日米通商協議は立ち上がりからいきなり難癖をつけられていることが明らかになっています。米国が消費税増税に異を唱えているという話が急激に持ち上がりました。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

消費税は貿易障壁?さらに「5%に減税」というトンデモ話も…

シンゾーとドナルドは親友のはずでは?

とにかく安倍・トランプは世界的にみてもこれほど良好な関係はなく、あらゆる問題はこの2人が話をすればすべて解決する…。

そんな一体どこから湧いて出てきたのかよくわからない、ほとんど架空とも思える神話がいきなり足元で音を立てて崩れようとしています。

今月16日からはじまった日米通商協議は、やはり日本政府が説明していたように順調にはスタートしておらず、案の定すでに立ち上がりからいきなり難癖をつけられていることが明らかになってきています。

まさかの消費増税中止か

米国が消費税増税に関して異を唱えているという話が急激に持ち上がったのが、その理由です。

自動車業界に対する事実上の輸出補助金として機能する消費税の輸出戻し税の増額に米国が強い不快感を示しているという情報が顕在化してきていることから、このまま消費税増税は米国に認められないのではないかという、かなり否定的な憶測が飛び交い始めているのです。

確かに米国側からしてみますと、この輸出戻し税は競争相手の米国自動車企業を不利にする措置であり、それが8%から10%になるとすれば、新たな貿易障壁の積み増しであるとみなされる可能性がきわめて高くなってきているのです。

もしこれが貿易障壁であると米側に認識された場合、その分の自動車輸入関税率引き上げ等の対抗措置が飛び出しかねず、茂木大臣がきわめて楽観的に日米通商協議の内容を語っていたのと実際の協議の内容が大きく乖離していることが明確になりつつあります。

さらに「5%に減税」というとんでもない話も

こうした状況から巷で飛び出している噂が、消費税を8%から5%に減税するという奇策です。

たしかに周りを見渡してみますと、なんと中国が4月から景気対策を理由に増価税とよばれる事実上の消費税を減税していることから、日本もやらざるを得ないのではないかという見方が強まっているわけです。

まぁ人の国の税金の問題をいちいち米国さまにご確認いただかなくては実施もできないということになれば、独立国に対する内政干渉も甚だしい気がします。

しかし米国における日本の現状を思えばさもありなんという状況で、我々にとってはかえって暮らしやすい状況がいきなり示現することになりそうで、大いに期待したい状況といえます。

為替条項の盛り込みなどはもはや前提条件

日米の通商協約に「為替条項を入れるなどとんでもない」という話が前々から政権・政府からも出ていました。ところがこの事案に関しては、もはや交渉の余地もなく、無理やり締結させられるのは時間の問題のようです。

このメルマガでもすでにご紹介しています通り、米国は絶対的にドル安を目指しており、実質実効レートで1980年代の1ドル200円以上に近い状況が続くドルに対する円の円安状況を見逃してくれるはずなどまったくないのが実情です。

外交にでかけると気が狂ったかのようににこやかにしても、国内に戻るとひょっとこ面で不愛想な麻生財務大臣も、この領域については無抵抗に白旗をあげざるを得ないはずで、いったい国民にどう説明するのかが非常に興味深い状況です。

市場は増税回避にひどくネガティブに反応する見込み

過去2回の増税延期の際も、市場は決して歓迎しない動きをしています。

国債の格付けが下落するリスクはすでに今朝のメルマガでも配信させていただきました(※編注:原稿執筆時点:2019年4月24日)。しかしそれを待たずして、株価も為替も同様で、今のこの噂が現実になった場合、政府がどこで口火を切るか次第ですが、相場はそのタイミングで荒れそうな雰囲気で十分に警戒が必要になってきています。

もちろん、安倍首相がトランプ大統領と会談した直後に、「増税にケチをつけられたので、やはり中止します」などと、その場で口にすることはないはず。それでも、ゴールデンウイーク明けから5月中には、はっきりさせないわけにはいかないものと思われます。

適当にゴルフ接待して会食し、訪日時には相撲観戦してもられば万事安泰などという話はすでにどこにもなくなっています。

増税中止もしくは減税で選挙には勝てるのかも知れませんが、安倍首相はこのまま政権を続けられるのでしょうか?かなり首をかしげたくなる状況です。