日本人は年間約40万人近くも消滅しており、この速度はさらに加速する。少子高齢化で未曾有の国家崩壊に落ちゆく状況だが、くい止める方策がたった1つだけある。
年間40万人ずつ減る日本人。なぜ誰も真剣に向き合わないのか?
少子高齢化で日本は壊滅する
2018年9月、厚生労働省は平成29年(2017年)人口動態統計(確定数)の概況を発表している。これによると、2017年に生まれた子どもの数は過去最少の94万6,065人となっていた。日本では生まれてくる子どもがどんどん減っているのが裏付けられた。
それと同時に高齢化の影響で、死亡者数も増えている。
2017年の死亡者数は最多の134万397人。出生から死亡を差し引いた自然増減数は39万4,332人の減少である。分かりやすく言うと、日本人が1年間で約40万人近くも消滅している。



過激なまでの少子高齢化が現実になっている。それなのに、誰も少子高齢化を真剣に考えようともしない。
その結果、日本は地方から死んでいき、やがて都市部をも少子高齢化の弊害が覆い尽くすようになるのだ。少子高齢化で認知症が這い回る地獄絵図が日本に生まれるのは、このままではそう遠くない未来でもある。
どれだけ警鐘が鳴らされても誰もが放置してきた
政府は、じわじわと社会保障費を削減に動いている。具体的にどうやって削減しようとしているのか。
クスリは今後ジェネリックに切り替えられる。介護保険料は段階的に引き上げられる。健康保険(協会けんぽ)の国庫補助も削減される。あるいは、生活保護も段階的に引き下げられる。生活保護については、2018年10月から子どものいる世帯や母子世帯の生活保護基準がすでに引き下げられている。
こうした施策が同時並行で起きている。
なぜ政府がこうした施策を急いでいるのかというと、少子高齢化が待ったなしで進んでおり、このままでは社会保障費がパンクしかねないからだ。すべては少子高齢化で起きている問題の緊急対応なのである。
また、消費税は10%に引き上げられることも決定している。2018年10月15日の臨時閣議で「法律で定められたとおり、平成31年10月1日に現行の8%から10%に2%引き上げる」と方針が定められた。
安倍首相は消費税率10%への引き上げに備えた対策を早急に講じるよう指示している。なぜ国民の誰もが反対する消費増税が強行されるのかというと、やはり少子高齢化による社会保障費の増大に苦しんでいるからである。
この他にも、政府は「生涯現役社会」を掲げ、未来投資会議で雇用義務付けを65歳から70歳に引き上げる方向で検討に入っているのだが、これもまた少子高齢化によって労働人口が減ってしまうことによる対応策である。
「移民を入れない」と言いながら外国人の単純労働を許可して2025年までに50万人超の外国人を入れようとしているのも、やはり少子高齢化による労働者人口の減少の対応策である。
今、目の前で起きている日本の問題の少なからずは、突き詰めれば少子高齢化に起因している。
政府のやっていることは単なる「応急措置」
しかし、政府のやっていることは、根本的な少子高齢化対策ではなく、単なる「応急措置」であることに気づかなければならない。
結局のところ、少子高齢化問題を解決するためには「子どもを増やす」以外はすべて問題を複雑化するだけなのである。
社会保障費を削減したら生活苦に落ちる国民が続出し、新たな社会問題が増えることになる。消費税の引き上げも、やはり貧困と格差の問題をより加速させてしまい、これまた新たな社会問題を引き起こす。
2025年までに50万人超の外国人を入れようとする施策はより無謀なものだ。移民の大量流入を歓迎した欧州はどうなったのか。文化的な軋轢や対立や衝突が先鋭化して国が分断されてしまうほどの問題をも生み出したではないか。
解決策は「子どもを増やす」
では、少子高齢化を解決するためには、どうすればいいのか。答えは極限的なまでに簡単なものである。「少子」なのだから、これを「多子」に切り替えればいいだけの話だ。
「子どもを増やす」
単純に考えると、これこそが少子高齢化の最もシンプルかつ正当な方法である。少ないから問題になっているものは、増やせばそれで解決する。自明の理だ。子どもがどんどん増える社会になると、少子高齢化問題は20年で解決する。
子どもを増やしたければ、若年層が子どもを生みたいと思えるような環境を次々と整えていけばいい。
「子どもを生み育てたら報奨金や一時金や祝い金で祝福する」
「子どもを生み育てたい国づくりをする」
「子どもにかかる税金や費用を極限まで低くする」
「子どもを生むことが経済的メリットになる社会にする」
「子育てを母親や夫婦だけに押し付けず、地域で支援する」
「家族・地域・社会・企業・政府すべてが子育てを応援する」
「時間のある高齢層こそ子育て支援人員とする」
「同棲世帯でも支援の対象にする」
「母子家庭も厚く保護して困窮しないようにする」
「養子制度も充実させる」
「大企業には託児所・保育室設置を義務付ける」
「交通機関は母子が移動しやすい空間や席を作る」
「子どもが遊びやすい安全な街づくりにする」
「上記の政策と共に子どもを生もうというキャンペーンを張る」
国も企業も個人も、できることはたくさんある
「子どもを増やす」という目標が明確になると、そのためにどうすればいいのかというアイデアは無数に出てくる。国も企業も個人も、できることはたくさんある。
とにかく、子どもたちが増えると思われる政策に的を絞って次々と実行していき、キャンペーンを繰り広げ、社会も企業も政府も含めて「1億総子育て社会」に入れば、日本の少子高齢化はたちどころに解決する。
それをしようとしないで、それ以外の小手先で問題を解決しようとするから得体の知れないことになってしまうのである。
日本が今すぐしなければならないのは「子どもを増やす」ことである。子どもを増やすためには、すべての政策をここに振り向けなければならない。
なぜ政治家も官僚も「子どもを増やす」ことに着目しないのか
子どもを増やす方向に政策を向けて全力で邁進すれば、やがては内需が戻り、社会が活性化し、土地も株式も上がり、イノベーションも進み、歳入も増える。
こんなシンプル極まりないことが気づかないほど、政治家も官僚も劣化している。いや、劣化ではなくて、もしかしたら日本をわざと破壊するために、このシンプルな答えに気づかないフリをして問題を複雑化しているのか。日本人を減らし、日本という国を歴史から抹殺しようとしているのか。
そう思われても仕方がないほど、政治家も官僚も「子どもを増やす」ことに着目しようとしない。
無能だから気づかないのか、それとも日本を破壊するために気づかないフリをしているのか分からないが、いずれにしても日本はこのまま少子高齢化を放置すると地獄のような社会に突き進むことになる。
地方は崩壊し、税金は次々と上がり、社会保障費は削られ、内需は減少し、社会は停滞し、時代遅れの国になり、劣化した国になり、やがて日本は世界的影響力も存在感も縮小して取るに足らない国と化す。
誰もそんな未来を望んでいないはずだ。
人口が増えるだけで問題は解決する
少子高齢化は平成で一気に進んだのだが、「子どもを増やす」という単純明快な政策が行えないのであれば、日本の次の世代は沈みゆく。逆に「子どもを増やす」という単純明快な政策に政府が向かえば、日本は浮上する。
人口動態は国の未来を表す。子どもが多ければ多いほど国は躍動し、未来は可能性が拓ける。
日本の人口は「産めよ増やせよ」政策で2億人になってもいい。人口が2億人になるのであれば、単純に考えて内需も2倍になる。それだけで、地方は蘇り、不動産価格も株価もうなぎのぼりに上がっていく。
日本国民と政府がそこに気づくかどうか……。
もし日本を何とかしたいと思っているのであれば、すべての問題に優先して少子高齢化に取り組むように政府に働きかけなければならない。
たった1つの方策「子どもを増やす」
「人口が減ってもロボット化すればいい」みたいなものでは日本は絶対に復活しない。あるいは高齢者に死ぬ直前まで働いてもらっても日本は絶対に復活しない。よそから移民を大量に入れても付随する問題の方が大きくなる。
こうしたやり方は問題の本質から外れている。
少子高齢化で未曾有の国家崩壊に落ちていく日本を救うただ一つの方策は、「子どもを増やす」である。それをしないから日本は苦しんでいる。核心に向かって真正面に取り組まないから衰退している。
すべての日本人は子どもを増やすことによって恩恵を受けられるのだから、強力にそれを推し進めるべきなのである。
今からでも手遅れでもないし遅くもない。まだ人口は1億2,000万人を維持しているのだから、ここから「子どもを増やす」政策に入れば2億人も達成できる。
人口が増えれば日本はそれだけで復活する。